摺動流動化流とは、粉粒体が管底部で砂丘のように集団流の形で摺動しながら移動するような流れであり、高濃度輸送形態です。粗粉の場合、形成原理はプラグ流とほぼ同様です。但し、プラグ流のように粒子集団が輸送管断面を塞ぐような部分が無く、或いは非常に少ないという特徴があります。
微粉の場合は、フラシング現象による流動化の原理を利用した輸送形態であり、特に空気を含みやすく、フラシング性の強い微粉の輸送に適しています。実際の輸送システムは、粗粉と微粉を区別せず、同じ風速域で設計されます。従って、原理的に異なる両方式を区別せずに、摺動流動化流と呼びます。この方式はプラグ流と同様に、輸送効率が非常に良くなります。粉粒体の破砕や配管摩耗などは浮遊流に比べて、かなり低減されます。この流動様式に適している風速は、輸送管口径、粒径、粒子密度、ガス密度(圧力)などによって変わりますが、おおよそ4~16m/s の範囲にあります。